南半球出張報告(2011/2/8)

                                                       中村 慶吾

 いつも大変お世話になっております。
 1月下旬より2週間、南半球のチリとニュージーランド両国を訪問し、現地の状況や球根圃場の生育状況等を調査してまいりましたので、ご報告致します。

@ 2国の気候は反対!?
 過去 何年もの訪問では、両国の気候はなんとなく似ていて、ずいぶん離れているのに不思議だなぁと思っておりましたが、今シーズンの天気は下表の様に逆の動きとなっています。

9月 10月 11月 12月 1月 総合
養成過程 植付け(前) 植付け(後) 初期生育 分枝 摘蕾
CH※ ○? 平年並み
NZ △? やや進む
※北に離れて位置するサンハーベスト社は含まれていません。


チリChile
 …は植付け時の天候が良く、ほとんどの生産者が平年並み〜やや早く植付けを行いました。2010年(昨年)産は、天候不良と遅霜などが発生し11月まで植付けをしていましたから、2011年産は1か月近く生育期間が伸ばせたことになります(Good)。
 順調なスタートを切りましたが、11-12月は気温が低く推移し、生育はやや停滞します。1月10日頃から本来の夏らしい暑い気温が戻ってきており、現在順調に生育中です。1月を○?としたのは、訪問時が特別だったようですが気温は低く、早朝には10℃以下の日もあってセーターが必要だったり、昼間も20〜25℃程度と真夏にしては低く感じたためです。
 それでも、天気は良く日照はとても強かったので、日焼け止めを塗り忘れた首の後や耳を、初日からヒリヒリに焼いてしまいました。(翌日からは、ちゃんと対処に成功!)


ニュージーランドNew Zealand
 …は植付け時期の9月前半に雨があり、スタートは少し遅れる形となりました。しかし、その後天候は回復し、順調に作業は進んで平年よりも早く植付けが済んだようです。11-12月になると気温が上がり、初期生育としては最高の気候となります。
 通常、摘雷時期は年末や1月からですが、今年産はクリスマス前から始まったことからも、生育の進みが早いことが分かります(4年に1度くらいの早さだそうです)。
 1月の気温は平年並み〜やや低めに推移し、雨も10日置き程度に降っています。訪問時最高気温は22℃程度で涼しく、最低気温は12〜15℃くらいでした。1月を△?としたのは、真夏の気温が低めに推移し、雨も降るのは、球根にとっては案外良い事かもしれませんので。
 新聞を見ると、UV指数が11+(←単位は不明…)で意味は“極限”となっていました。日本の光と違って、温度はさほど感じませんが、1日中畑を歩くと夕方には目が真っ赤にやられます…。(来年はサングラス着用かな)
昨年は、チリもニュージーランドも天候が良くありませんでしたが、今年のこれまでの状況を考えますと、2011年産の球根の力は期待できると思います。

A 球根はよく育っています。
両国に共通して、これまでの生育は良く、球根肥大も既に進んでいます。
調査したロットの試し掘りを行い、植付けサイズから現在のサイズまでの肥大を調べました。
各国の生産地ごとの平均値をまとめると下表のような結果となります。
CH 1.82サイズ
NZ 1.80サイズ
1.8サイズ=3.6pの肥大という意味です。

1月末‐2月初旬の状態としては、良い方だと思います。これから2月、3月、4月、5月とひと月に1サイズ程度 肥大する可能性はありますから、植付けサイズから5サイズ(10p)近い肥大までもいけそうな感じです。
(過去2年は肥大の悪い年でしたので、植付け密度を薄めに調整した?雰囲気もあります。)
品種別では既に3サイズ以上の生育や、生産者平均で2.4とか2.8サイズUPのところもありましたので、今後太り過ぎにも気をつけてもらいたいものです。

両国の生産面積は下記の通りです。(ha)
2010年産 2011年産 対前年
チリ 447 446 99.8%
ニュージーランド 194 221.5 114%
合計 641 667.5 104%
※あくまで当社調査基準での数字です。前年と同じ基準で比較しました。
 生産者により、リン片面積等を含んでいないものがあります。

B 在庫表の準備はこれからです。
大変遅くなっておりますが、もうしばらくかかる模様です。
オランダ産も含めて、中国等アジア諸国の追加需要に支えられてムードが改善してきた球根業界ですが、需要の伸びも低下してきており、需給バランスや10年産の結果を見ながら落ち着いて調整する事に主要輸出会社(生産会社)も同調してくれているようです。

販売品種につきましては、以前お送り致しました“2011年南半球産について”(2011/1/6付)の表を参考にしていただくか、担当営業とご相談いただきますようお願い致します。
今回の訪問で、チリ、ニュージーランド共に、いくつかの理由により当社として取扱いを控える可能性がある品種がでてきましたので、該当するお客様には個別にご相談させていただきます。
また、当社の試験ハウスでは、2回目のSH産テストが開花時期を迎えており、品質チェックにも役立っています。
今年も、良い球根をリーズナブルにお届けできるよう頑張りますので、どうぞご協力お願い致します!

C オーストラリアの台風
ニュージーランド訪問日程の後半に、(巨大台風)サイクロン“ヤシ”がオーストラリア北東部に最接近しました。被害の状況が連日ニュースで流れており、ただただ自然の力の大きさを目の当たりにするばかりです。
遠く離れたニュージーランドでも、“ヤシ”がまだ海上にいるころに強風となり、バンザンテン社・バッカー社のあるラカイア地区では130Km/h=風速36m/sの強風で、(飛ばされはしませんでしたが…)調査中、体を斜めに傾けて、やっと歩けるくらいの風でした。
“ヤシ”の中心部付近の最大瞬間風速は300km/h=風速83m/sだったといいますから、想像を絶しています。一日も早い復興をお祈りいたします。

以上