情勢報告(2011/12/29)

                                                       中村 慶吾

 平素は格別のご高配を賜り、心より御礼申し上げます。
 今年も残すところわずかとなり、皆様何かとご多用の事と存じます。

 2011年は、いろいろな面で衝撃的で予測不能な1年でした。震災の被害(春先の相場低迷も含め)に遭われた方々には心よりお見舞い申し上げます。
 球根につきましては、前半までは本当に順調でしたが、夏以降から10年オランダ産の力落ちや、最近ではNZ産のバイラス問題など、生産地側の潜在的問題が表に出てきてしまった年でした。
 まだまだ努力の余地がたくさんあると実感しておりますが、ひとまず 皆様にご協力いただいて一年を乗り越えられました事を感謝致しますとともに、以下に情勢ご報告させて頂きます。 


□  2010年オランダ産の総評
 10年オランダ産は、10年11-12月に起きた2週間のフロストの影響で、全体に堀取りが遅れ、1月になって掘られたものさえありました。
 全般に芽が動きやすく、安定的に保管するのが難しい年でしたので、基本的な冷凍庫の精度はもちろんの事、ロットごとの管理や、品物の納品適期など、ソフト面の努力でお届けする球根の状態をコントロールする事に、いつも以上に気を使いました。
 オランダの気候も近年温暖化の影響を受けており、球根屋としてのスキルは今後もより高いものが求められるのだろうと思います。
 終盤(9月植え辺り)から、全体に力落ちが目立った年でもありました(特に早生品種が顕著)。長く置くほど球根は力を失いますが、その早さは年により違い、これも温暖化の影響や生産者(委託生産者含む)の大型化で、年々厳しくなる傾向かもしれません。幣社といたしましては、流通・保管精度の向上に加え、在庫表の冷凍限度等で皆様に注意喚起をさせていただきたいと思います。
 また、品種によっては、春に16-18を使い、抑制で18-20、さらに抑制で人よりリン付が落ちる傾向の方(ルーティング技術向上のデメリット!)は20-22というように、初期管理方法によって、サイズを検討する事も必要です。


□ 2011年南半球産について
 チリ出張報告(7月11日付)、ニュージーランド出張報告(7月15日付)でご報告の通り、概ね両国とも太い茎と平年以上のリン付となっているようです。
(当社のSH球 第1回目テストも、現在リン付が確認できるステージです。)
 一方で、バンザンテン社を中心にバイラスが目立つ年となってしまいました。
バンザンテン社につきましては、3つの生産地区のうち1つで、防除(オイル散布)のノズル間違いが原因でした。2012年産からは対応がされています。その他の生産者についても、極少量ながらバイラスが散見されますので注意が必要で、弊社は平年より少し早いタイミングで両国へ出張を予定しています。


□ 2011年オランダの収穫状況と在庫状況
 11月に既に予想しておりました通り、今年の肥大は全般に良い結果であったようです。これまでの所、新品種を中心にいくらかショートがでてきており、春先に霜の被害を受け、壊滅的な結果となったマレロが大きな欠品報告となっています。(大変ご迷惑をお掛け致しました)
 逆にシグナムは肥大しすぎで24UPが多くでてしまい、16-18、18-20がショートするという、あまり聞いたことがない結果も出てきています。
 ショートのもう一つの傾向として、バイラス(品質)による 日本向けロット不合格や、販売停止があります。ストライカー、パトス、シレスタなど。
 プラムバイラスのイライザー検査が進み、数値による線引きがされてきているのは良い傾向ですが、今後 輸出会社には、検査結果を早く手に入れ、収穫前(なるべく早く)に決断・報告する事が求められます。
 盲目だったこれまでと違い、11年オ産からは輸出会社は情報を持っていますので、情報のオープン化を求め、今後各社のモラルも見えてくる事でしょう。

 球根の力 等については、11月23日付のオランダ出張報告をご参照下さい。

 2011年オランダ産の収穫結果は、全般に良く、特にLA(大幅に面積増加)は収穫時期になって過剰感となり、一部品種の値下がりが起きました。
 その後、販売不振の品種は畑で廃棄となるものが出るなどし調整されました。
 オリエンタル+OTは、作付面積合計が前年比100.5%で、肥大は良い一方で、フロストによる被害など、品種ごとで状況が異なります。大まかに言えば、新しい品種、生産面積の小さい品種は既に完売しており、人気のない品種、生産面積の大きい品種(人気サイズは完売)がまだ残っているという状況です。
 11月訪問時にも感じましたが、オランダはユーロ危機など経済不安にあり、日本同様オランダ各社も、慎重に在庫を作らない(作れない)ようです。
 一部、球根生産者自身で選別・パッキングし保管するものもあるようですが、以前に比べて量は少なく、そのような球根は 品質的にも日本向けの流通には乗らないものです。

 LAは既に年内に多く入荷してきておりますが、オリエンタルも年始から随時入荷してまいります。お客様の納期を参考に輸入計画を立てており、手配から皆様にお届けできるまで2カ月程度要しますので、まだ“予定納品月”がお決まりでない部分がありましたら、ご連絡のご協力をお願い致します。


  □ 2012年南半球産、取扱い予定品種一覧
 別紙リストをご参照下さい。既に多くのお問合わせを頂いており、ありがとうございます。年末年始のお時間がある時に、11年オランダ産とセットでご計画を組み立てていただけたらと思います。フレッターの新品種数が大きく減ったため、全体にリストは短くなっております。
 CH、NZとも、生産はやや減少傾向のようです。また、古い品種、品質低下した品種の生産停止や、バンザンテンNZ生産分のルレーブがなくなり、わずかなラシック混入ロットのみになるなど、品種転換(産地により作型転換)が迫られます。
 幣社はこれまで通り、チリ・ニュージーランド各社との取引を継続し、幅広い品種・産地構成と、それらの試験栽培結果などを含め、皆様それぞれにあったご計画を一緒に考えて行きたいと思います。
 1月には両国へ出張し、特に品質面を重視して調査を行ってまいりますので、追ってご報告させていただきます。
 また これまで通り、11月までの冷凍賃は無料◎、解凍(出庫)手数料なし○、球根価格は物量による効率化と還元でより安く、球根生産者が品質向上できて、皆様が安心してご計画いただける価格帯を目指して頑張ります!!

 一年あっという間ですね。本当にお世話になりました。
 ウサギのように背中を丸めていた今年ももうわずかですが、実は前向きに来年に向けての準備期間だったなぁと感じています。
 辰年の2012年は、空へ舞い上がる龍のごとく景気や切花販売も元気を取り戻し、日本が辰ち上がる年になることを祈念し、皆様とダイナミックに百合を盛り上げていきたいと思います。