南半球出張報告(2012/2/7)

                                                       中村 慶吾

 平素は格別のご高配賜り、心より御礼申し上げます。
 1月15〜21日にチリ、1月23〜27日にニュージーランドへ出張し、取扱い予定の全ての圃場を視察し、品質 及び 各国の情勢を調査してまいりましたので以下にご報告させて頂きます。

□  ホットなチリと、クールなニュージー!
 今年の両国の気候は対照的で、チリは暑く、ニュージーは寒く推移しています。

●チリChile
植付け時期の天候こそ悪かったですが、その後 気温は高く推移しており、植付けが1週間遅れたものでも、摘蕾は平年より1週間早かったほどです。12-1月は特に天気が良く、訪問時、生産者は昼夜シフトで潅水し続けていました。
チリ産のここ3年の気候は…
10年産が低温の年(リン付非常に悪かった)
11年産が平年並み〜良い(リン付普通から良)
12年産(夏まで)は11年産よりも気温が高く日照に恵まれています。


●ニュージーランドNew Zealand
 植付け時期の天候は良く、全体に植付けは早めに済みました。その後、12月まで平年よりやや涼しく、特に10月は日照が少なく、ラカイア地区では11月に遅霜が発生しました。
 1月下旬の訪問時(南半球は真夏)は最高気温が12-20℃程度と、この時期としてはかなりの低温でした。夏になってからは、時々まとまった雨も降っており、潅水回数はあまり多くないようです。
 

□生産面積は一長一短
 今回訪問時に全社に聞取りを行った結果、12年産の作付面積は対前年
NZ:100% CH:102%で 、
合計102%、全体でわずかに10 haの増加となっています。
しかし実際に調査してみると、リン片圃場、ティシュー圃場(母球用)が増えた印象で、販売球面積に関してはむしろ減ったという生産者が多かったように思います(全体で10%程度減少?具体的数字は分かりませんが)。
バイラス問題で廃棄したロットがあり、当初予定していた種球の準備ができず新たなロット更新が進められている事(数年かかります)また、古い品種が減って新しい品種へ移行期間中であることなどがその要因です。
VZ社のレクサス、シグナムは冬向きということで生産は段々と増えてきていますし、両国ともにリアルトが減少しサンタンダーが増えているなど。
一方で、2年栽培畑(面積当たりの収穫量は少し多い)が増えた事、昨年の肥大が良かったために、種球が全体に大きい(= 狙ったサイズを中心に生産できる)など、世界の需要に合わせたコントロールがされていました。


 
□肥大は順調、品質はいろいろ

 対象的なこれまでの2国の気候ですが、現時点の肥大は、昨年の調査データと比較してチリがほぼ同じ(〜若干進む)、ニュージーランドが進んでいる状況でした。
調査時期は、昨年と1週間だけの違いですので、両国とも順調と言えます。

今回600件以上のロットを調査した中で、68件(CH43、NZ25)の問題や懸念点を見つけました。(詳細は公表を差し控えます。)
  私の調査は、1つ1つ畝に分け入り、しゃがみこんでじっくり見るやり方なので見つけにくいものまで発見してしまうことがあります。
(PV問題がでてきてから余計に時間がかかります。)
 圃場で調べられる事には限界があるのは認めるところですが、これら情報と試験ハウスや皆様での結果を元に仕入れを構成していきます。
バイラスに関しては、ほとんどの生産者が3月頃に圃場で葉のサンプルによるイライザーテストを予定しています。
実際の話、我々が輸出業者に「バイラスのロットは販売しないでくれ。」と言って、「はい、わかりました。」と簡単に片付く問題ではありませんので、毎年の圃場調査は私たちにとって重要な意味があります。
(バイラス検査では許容範囲と判断された)11年NZ産のカリビアンは、日本で高い発症率となってしまっていますが、アイランドバルブ社は、今年植え付けていた同品種を、既に掘り起こし生産停止としていました。
妥当な対応をしてくれていると思います。未だに正確な感染経路は分かっておらず、球根生産者側にも緊張感があります。



■バンザンテン社のバイラス問題
 シベリアを中心とするモザイクバイラスの問題について、バンザンテン社からの公式説明文を、当社ホームページに2月7日付でアップしましたので、詳しくはそちらをご覧ください。
問題のあったスプレーノズルについては 今シーズンから修正され、その圃場では百合に貼りつけた散布確認シートで、均一に全体に塗布されているかを確認していました。また、スプレーの間隔を昨年までの1週間から5日に短縮しており、問題のなかった委託生産者と同じ防除を行っています。
 この件は、私たちにも「リスク」について再度考える機会となりました。
当社は、チリ・ニュージーランドの殆どの生産者の球根を取り扱っています。これは、それぞれの気候や生産者の特性、生産品種などを考慮し、得意な部分を生かしていった結果ですが、同時に問題が起きた時の代品や、被害の限定としても機能していたのだなぁと感じています。
輸送の関係もあり、それなりの取扱いがなければできない事ですので、皆様のご高配に支えられできている仕事だと感謝しています。

□在庫表と価格について
 世界的に不安定な情勢の今日、需要はあまり変わらないと言う事で、相場を上げる要素は少ないようです。
為替が昨年に比べて円高水準ですので、皆様へお届けできる価格帯は、11年SH産よりも安くできるものが多い見込みです。
価格表をお届け出来るのはまだ先になりそうですが、既に平年より早いペースで皆様からのお問合わせを頂いておりますので、なるべく早く、でも品質を第一に、適切な価格帯となるよう輸出会社と調整していきたいと思います。