情勢報告(2012/4/19)

                                                       中村 慶吾

 いつも大変お世話になっております。
 全国的に、ようやく長い冬が終わり、春の雰囲気となってまいりましたが、高知も平年に比べると少し肌寒い日が続いています。オランダ産、南半球産を中心に、全般的な情勢について、以下にご報告させていただきます。

□  2011年オランダ産について
 去年のオランダの気候は、夏の気温と日照が低く、秋が暖かく推移し、芽形成は低いものの案外太めの芽でありました。詳しくは“オランダ出張報告”(11/11/23付)をご参照下さい。
 現在、弊社試験ハウスにて“ゆりフェスタ"向けにオランダ新球が育ってきていますが、全体にしっかりとした芽の印象で、11月段階での予想「普通〜やや良(10年産より若干良い)」の感じになりそうです。

   一方で、近年ないほどバイラス(注意していたPVではなく、LMoVと思われるモザイク)が見られています。
 輸出会社のロット試験ハウスよりも、弊社ハウスの生育が早く、問題(バイラス)に気付き、オランダ側でも状況を確認してもらい、当該ロットが出荷停止となった件が既にいくつかありました。
 輸入のみならず、品質確認も弊社の重要な使命だと思います。
 オランダの秋が暖かく、枯れ方が遅かったのに、一部生産者が防除スプレーを平年通りの時期に止めてしまったのが原因ではと言われていますが…?
(オランダ全体で問題を共有し、12年産に向け注意喚起される事を期待します。)

 尚、プラムバイラス(PV)については、昨年よりイライザー検査が実施され、リン片母球 並びに 多くの種球が検査を受けており、感染ロット廃棄のため2012年の生産量が60%程度になる球根生産会社もあるそうです。

 2011年オランダ産の日本向け輸出量は、前年比95-97%程度(?) になると見られ、日本の各社の在庫も少ないように聞いています。

下記は、11年オランダ産の12-3月まで(いわゆる新球)の月別輸入球数です。

前年同時期累計比(右太枠):オランダ産の入荷(入港)は、スカシ・鉄砲などの12月から始まります。この累計比は月別の前年比ではなく、12月からその月までの合計輸入球数(表中【 】内数字)を前年と比較したものです。

 これを見ると、早い輸入ほど遅れが大きくなっていることが分かります。
既に12月‐1月植付け用は、皆さんSH球に置き換わってきておりますが、2月でも1割程度のビハインド(遅れ〜減少)で、この傾向は来年も続くと予想されます。
 弊社が以前から「2月植えまでSH球の確保を」とご案内している一つの理由です。
 2月の90.8%とは球数にして、なんと4,295,326球の減少です。輸入球数が月別の定植球数と同じとは思いませんが、ある程度の影響はあるはずです。
その分、11年南半球産が増えていれば、切花生産量を維持できたのでしょうが、“2011年南半球産 状況報告(2011/9/5付)”でご報告の通り、LA・スカシが80万球増加、オリエンタル・OTの増加が14万球だけでしたので、今年の冬〜初夏まで切花が多くなる事はないのではないでしょうか。
 これまでに、幾度か「増える溢れる」というムード作りがされていましたが、実際には物日もそれ以外の時期でも量が不足した結果でした。


□ 2012年南半球産について
 2012年SH産の日本向け販売状況を輸出会社に問合せましたところ、下記の結果となりました。2011年SH産の数字と合せてご覧ください。
11オ産:3%減少なら 1億1600万球(10オ)×△3% = △348万球

2009年以降の、弊社の(SH産)受注色比率をグラフにしてみました。
(その他・特殊な色は少量のため含めておりません)
2010年以降、白(シベリアのシェアが高い)が減少し、切花単価は安定しているように思います。
 この傾向は12年産のご注文にも見られており(燃料費高騰の影響など)、代替熱源としてエアコン(ヒートポンプ)を導入された方には有利と言えます。

 2012年SH産球根は、おかげさまで弊社と致しましては昨年を少し上回るご注文を賜ることができました。皆様のご高配に心より御礼申し上げます。
 頂いたひとつひとつのご注文が背中を押し、私達の取組みは正のスパイラルを築きつつあると感じています。

昔から、球根から花商さん・消費者までが一本のチェーンだと言います。それぞれの輪が隣の輪を支え、全体の鎖が強くなって、初めて成長をけん引できるという意味だと、私達は理解しています。
 これからは、鎖の端と端がつながって、ひとつの太い大きな輪になればと願っており、ゆりフェスタ等、弊社取り組みのメッセージでもあります。
 

□ オランダ研修旅行に行きましょう(5月27日〜6月3日)

 久々にオランダ研修旅行を開催致します。前半は育種会社を中心に訪問し、今年初めて名前がつくような最新品種をチェックしてまいります。オランダの穏やかな気候で、展示用に贅沢に作られた百合は、日本でも見られないような品質ですので、ゆり本来が持つ可能性にも刺激を受けると思います。
 後半には、オニングス社のテストハウスや、バンザンテン社の育種と球根母球生産など、輸出会社の仕事も視察した後、ベルギー・アントワープの街並みで気分転換♪ 最終日には10年に一度開催されるフロリアードを訪れます。
 フロリアードのホームページを見ていましたら、日本国のブースもありまして、日本の花文化の過去・現在・未来を紹介しているようです。
 私達は普段、百合ばかりを見ていますけれども、たまには仕事を忘れてたくさんの種類の花や植物を楽しんでみるのもいかがでしょうか?
 参加締め切りが近づいてきました。皆様のご参加をお待ちしております。


□ ゆりフェスタが結構おもしろそう!(6月6日〜6月10日)

 早いものでゆりフェスタも6年目、子供が小学校に入るような気持ちです。
昨年より更に品種数が増え、473品目の一斉同時開花(技術的に難易度高すぎ!)に向け、日々調整しております。
 今年のテーマは“集まろう、楽しもう、深めよう”です。
 毎年いろいろな方面から講演にご協力頂いておりますが、今年はまた一段とすごい方に来て頂ける事になりました。特に私達が普段気になっている(でも案外わかってない)葬祭業界のリーダーの貴重なお話は必見!、更にさらに話題の花市場さん2社にご講演いただける事となり、百合切花生産者向けの要素も強いラインナップです。これほどの講演を弊社イベントで皆様にお聞きいただけます事を光栄に存じております。
 また、新たなチャレンジとして、百合タワー(3m!?)を建設予定で、オランダのキューケンホフ・リリーパレード(近年は新品種発表の場ではなくなってきてしまいましたが…)のような、スケールの大きい百合の使い方をご提案致します。
 飛行機でご来高ですと、航空券とホテルのセットがお得なようです。弊社がよく使うホテルも対象ホテルとなっており、格安航空券の料金でホテル宿泊+朝食付きがあります。JR(新幹線)でも同様のプランがあります。
 車での旅費も調べておりますので、ご参加申込みに合せてご相談下さい。
 先日、フェスタのお申し込み用紙をお送り致しましてから、続々とエントリー頂いております。より多くの方にお集まり頂き、楽しみながら、百合やご友人との親交を深めて頂けたら幸いです!