情勢報告(2012/8/17)

                                                       中村 慶吾

 残暑お見舞い申し上げます。
お盆明けとは言え、連日猛暑が続いておりますが、皆様お忙しい日々をお過ごしの事と存じます。私どもの西日本のお客様への納品も本格的となってまいりました。このたびは球根の全般的な状況につき、以下にご報告させて頂きます。

□  2011年オランダ産について
 現在お使い頂いている11年オランダ産について、全般状況のご報告と、少し整理をしてみたいと思います。

1.実は球根の芽は高くない。
 オランダ出張報告(2011年11月23日付)でご説明の通り、昨年の9-10月の気温は高く芽形成開始が遅れたとみられ、調査時の芽長は前年比87%とむしろ小さい印象でした。当社の評価は「芽の勢いはゆっくりで抑制作型にも向く」と述べています。
 今年の輸入スタート時から現在まで、過度の芽形成によると思われる発芽は少なく、ブラックノーズの発生もこれまでの所、比較的少ないようです。

2.球根腐敗は件数が少ないのに目立つ
 近年のバイラス問題を受け、収穫後の消毒が一部の球根生産者でされなくなったと言われています(ある研究機関が、消毒液を介してのバイラス感染の可能性を指摘しているため)。
 輸出会社でのパッキング時はこれまで通り消毒されていますが、オランダの秋冬が暖かくなったこともあり、生産者による収穫直後の消毒は腐敗防止に効果的であり、実施の徹底を期待します。
 平年腐敗事故のでやすいメデューサは、今年も問題はあるものの、意外と軽い腐敗でとどまっているのに対し、ブーレスカの1ロットは7月頃から酷い腐敗(高い率)となり、弊社では同ロットを出荷停止としました。全体としては問題件数やカビ発生度合いが少ないのですが、極端に悪いロットがあるせいで、11オは腐敗が多い年という印象を持たれているかもしれません。

3.オランダからの輸送期間が長くなりました。
 日本郵船、商船三井と他国の船会社が同盟を組んで、5月以降、同一船への相乗りが始まりました。これにより船本数が減った事と、オランダから日本までの期間が1週間ほど延びました。船の輸送コンテナは元々それほど高い冷凍性能ではないため、安定した温度で輸送する事が重要となります。
(南半球産も冷凍温度になってから積み出すことで、リスクを軽減しています)

4.球根会社の品質管理
 球根の流通にとって、球根専用の冷凍施設と、球根に合せた管理ノウハウが品質のベースになります。氷点下の保管ですが、ご存じの通り球根自体は凍結しておりませんので、冷凍庫内の安定した温度はもちろん、湿度や風向・風量など、球根という特殊なものに合せた環境が、球根専用冷凍庫の良いところと、最近特に感じます。
 弊社では、現地調査に基づいたその年ごとの傾向を踏まえ、時間をかけて個々に球根評価を行い、適切な管理を心掛けています。
 球根は生ものですから、機械的な作業では管理しきれないところがあります。
 風の便りでは、自社冷凍庫で全て管理する国内の球根会社は、弊社だけになってしまう可能性があるとのこと…。



□ 2012年南半球産について
 選別作業も終盤のようです。ショートやサイズ調整などの収穫結果が決まったものから、随時お客様へご相談をさせていただいております。
 球根の力などについては、チリ・ニュージーランド出張報告をご覧ください。

 6-7月から週にコンテナ2本づつのペースで、準備が出来た品種から適宜輸入してきております。LA・スカシの納品は9月から、オリエンタル・OTの納品は9月20日頃からとなります。ご注文時に予定納品月をお知らせいただいておりますが、早期納品をご希望の際は、早めに出荷指示をお願い致します。

□ 2012年オランダ産について

 7月までのオランダ気候グラフをご参照下さい。
 4月以降の雨天傾向が続いており、8月に入ってからも雨模様です。日照及び気温がこれほど平年値を下回り続ける年も記憶にありません。(オリンピックが開催されたロンドンの気候に似ています。)
 7、8、9月は、オランダ産の球根の力や肥大にとって重要な季節ですが、2012年はこれまでの所、良い気候とは言えません。既にLAの畑でボトが入り初めているとの報告もあり、肥大への影響が懸念され始めました。
先日、2012年オランダ産の在庫表をお送りいたしましたが、比較的新しい品種を中心に、完売・在庫限りとなってきました。ここからは経営の中核になる品種のご計画を立てて頂く時期に入ると思います。

□ 酷暑試験のご案内

 2年前よりスタートしました、真夏の酷暑試験。
 過去2年では、一歩進んだルーティングのテストを行い、品質向上と奇形・車咲きの抑制効果などを発表し、ご好評をいただきました。
 今年は、昨年の抑制試験で良い結果を残した品種からの選抜(予選リーグ突破と呼んでます)と、期待される新品種(シード選手)を加え、しっかりとルーティングし、暑さに強い品種の決勝戦を行っています。
 今週に入り、LAが開花し始めていますが、ルーティングによる点咲き抑制効果など、なかなか面白い結果が出ております。
 気象庁データで7月(8月前半)の平均気温を見ますと、高知27.2℃(28.0℃)、埼玉(熊谷)26.3℃(28.3℃)、新潟25.4℃(26.9℃)と、東日本から西日本にかけて同様に暑いようですから、夏の品種選定の参考にして頂ければと思います。

 まだまだ暑い日が続きます。皆様におかれましては、健康に十分ご留意され、益々ご活躍されますよう祈念致しております。