オランダ出張報告(2013/10/2)

株式会社 中村農園
中村 光輝
 私は9月6日から12日にかけてオランダを訪問し「球根生産圃場」と「切り花展示会」を視察して参りました。以下に簡単にご報告いたします。


【球根生産圃場では・・・】
 今年のオランダは春の定植時期がとても寒く、3月の平均気温は平年よりも3.5℃以上低く、4月は1℃低い始まりとなりました。一方、夏は暑く7月は平年よりも+1.2℃、8月が+0.6℃高くなり、かつ晴天続きで降水量が平年の半分以下となりました。現地、球根生産者・輸出会社の話では灌水回数が昨年の6倍も行なっているところもあるほどです。
 私が訪問した時は大雨が降り、一時的ではあるものの恵みの雨となりました。また、気温も平年並みに下がり「秋の装い」になりました。オランダ南部のリンブルグ州やブラバンド州では訪問時オリエンタルで種球サイズ10/12p が16/18cmに肥大している球根もあり、(枯れを進めるため)ボト予防の散布を終えた圃場がありました。一方で、北部の圃場では散布を続けているなど生産地域による違いが見られました。また、春の寒さや植付け遅れの影響を受け、収穫も早いLA・Aに関しては、肥大不足の程度を見るため輸出会社による圃場調査が再度行なわれることになりました。
 したがって、オリエンタル(OT)とLA・A、又産地により状況は様々で、春の寒さのみをもって“遅れ”や“異常”を指摘するのは??であるものの、今後の肥大を期待し、秋以降の気候を注視すべきと思われます。
 一方、この時期に訪問するとあまり日本では知られていない栽培試験を見ることができました。例えば、肥料の量、母球の掘り取り時期、定植の浅い・深い等による収量への影響を試験しています。また、二芽が多い品種に対し前処理の条件により軽減できないか、リン片の温度処理条件やバイラス耐性品種試験などを行なっています。この様な試験により、各品種に適した栽培管理方法を研究している生産者がいることに驚きました。
写真:栽培研究(左)と生産圃場(右)



【切り花展示会にて】
 9月のオランダでは盛大な切花の展示会が催されます。今回、私は「デプラスボカール」と「ボレノールド」という展示会を訪問しました。
 デプラスボカールでは“育種会社の展示会”だけではなく、“若手生産者達による切花品質コンテスト”が行なわれます。このコンテストでは事前に品種名を隠した球根が参加者に送られ、同じ球根を使い“早く品種名を当てるコンテスト”と“切花品質を競うコンテスト”が行なわれます。元々は切花生産者のヨープ ファン フェーンさんが自社の従業員に対して品質向上や勉強のために始めた遊び心が起源となっています。ちなみに、今年の題材は日本でも既に注目されている「プレミアムブロンド」でした。
 会場には切花生産者や球根生産者、育種会社、輸出会社など非常に多くの関係者が訪れていました。弊社のゆりフェスタと同様に来場者は品種選びだけではなく、関係者が一堂に集まるイベントのため、盛んに情報交換や交流を行なっていました。私も普段はメールで連絡を取っている人達と会って話しをする良い機会となりました。また、若手の来場者も多く、彼らの球根生産に対する熱意や向上心を肌で感じることができました。
写真:デプラスボカール会場風景とボレノールド出展品



【最後に】
 私は9月のオランダに初めて訪問しましたが、現地調査することの大切さを改めて実感しました。実際に訪問することで、数カ月後日本に輸出される球根を試し掘りし、球周を測り、球根および地上部を調査することができました。  現地調査では、近年、種球リン片の直挿し(ネイキッドスケール)の圃場を多く見るようになりました。冷蔵庫での処理が不要なこの方法は生産効率が良く急速に普及しています。特に昨今のプラムバイラス問題以降、ロット更新などにも広く導入され、いち早く悪いものを減らしていく姿勢が見受けられます。また、生産者の中にはプラムバイラスに感染した数百万ユーロ(数億円)相当の種球を廃棄した会社があります。  こうした姿勢は弊社の「より良い球根をお届けしたい」という思いと重なります。弊社は収穫期に再度、今年4度目の現地調査を行ない「皆様のお役に立つ球根業者」と言って頂けるよう、たゆまぬ努力を続けて参ります。
以上