オランダ研修 中間報告(2014/1/16)


2014年1月16日
オランダより 大西康仁(2013年度新入社員)

 私は2013年12月2日から2014年2月20日までオランダの輸出会社、球根生産者、切り花生産者の元で各2〜3週間ずつ研修しています。まだ途中でありますが、これまでの報告をさせていただきます。


【天候】
 今年の冬はオランダとしてはとても暖かく滞在中、最高気温13℃、最低気温0℃と氷点下を下回る日がなく日本と同じくらいの気温です。しかし、長期予報によると今後1、2月からはかなり冷え込むのではないかとのことです。
 天候は主に曇りの日が多く、日照時間も2013年12月23日で最短7時間31分(08:54日の出〜16:25日の入)、今週に入りやっと8時間以上となりました(2014年1月13日現在)。

【PO(オニングス社):2013年12月3日〜6日、24日〜2014年1月3日】
 POでは球根の検品をさせてもらいました。ここではサイズ外の球根の割合や球根の状態を各ロット毎に調べていきます。サンプルケースを抽出し『規定数の球数が入っているか、根の長さ、芽の動き、傷、2芽』などを調べます。
 球根が保管される冷蔵庫の温度は−2〜0℃。(私の研修時、LA・Aの部屋は−1℃、OR・OTは0℃でした。)
 パッキング前の消毒液は前年産の結果や当年産の生育状況等をふまえ、薬剤や混合率を変更・調整しています。今年は消毒液の配合量も多くなっており、また『フザリウム、アオカビ(青かび病)、リゾクトニア(根腐り、芽枯れetc)』の薬剤も変更があるそうです。POの洗浄・パッキング機械は6台あり(内4台が輸出用)、他の輸出会社より数が多い。また、作業人数も多く確保し、焦らず作業できる環境にしている事がPOの強みの1つだと言っていました。

 世界最大規模の花市場:フローラ・ホランドの1つナールドワイク市場を見学しました。ナールドワイクの大きさは43,000u(サッカー場約9つ分位とのこと)。競りは電子掲示板で行われます。驚いたのは日本の市場と違い、花が競りに出てなかった事!! 以前、私が行ったことがある大阪の市場では、電子掲示板でしたが競り場の前でセリ人が実際に花を示し、声を上げて花を紹介している状況が印象的でした。しかし、オランダでは2年ほど前に、競り場から花がなくなりました。競り場に生の花が現れないことにより、花の説明をする人など競り場の従業員を減らし人件費を削減できた。また競り場に花が流れない結果、保管場所の冷蔵庫から買い手のレーン(買った花が置かれる場所)までの流れが短くなり、市場の作業時間の短縮にもつながるからです。
 この状態になってから、買い手は生産者の名前を頼りに買っているそうです。(世界で最も厳しい品質市場と言われる)日本でも情報取引は増加していますが、オランダ方式への完全移行には多くの課題があり、是か非かを含め十分な検討が必要だと感じました。

競り場の写真:左の写真でわかるように花が出ていません。右は電子掲示板です。


【球根生産者:2013年12月9日〜23日】
 オランダ北部にある’t zandという地域で球根生産をしているユルン・コイマンさんの所で球根選別・種球の育て方を学びました。この地域の緯度は北緯44°と択捉(エトロフ)島より更に北に位置しますが、ここでも氷点下になった日はほとんどなく最高10℃、最低0℃、平均6℃と日本と変わらない気温でした。
 圃場の面積は50ha。鉄砲とOR・OTの割合が1:1。
 選別ラインは1品種終える毎に念入りに消毒されていました。球根の洗浄はきれいにされており、私の感覚ですがPOの検品では高い品質のものに入ると思います。

写真左:消毒の様子        写真右:選別ラインのリアルト(16/18サイズ)


 ユルンさんの作業場で研修している時に、聞いた話では今年の肥大は昨年と比べて全品種・サイズ共に悪いそうです。確かに選別中でも、8/10種球で10/12:15%、12/14:30%、14/16:25%、16/18:20%、18/+:5%、二芽、除外品:5%と主に2サイズアップにとどまっていました。
 また今年は傷のついている球根が多いとの事。理由は春が寒くて定植が遅れ、夏は気温が高く乾燥気味。そのため、肥大が悪く収穫を遅らせたが、その際雨が降り球根が水分を多く吸収し柔らかくなってしまったとの事。ユルンさんの所では傷のついた球根は別ルートでオランダの切り花生産者に売るそうです。
 少し面白い話を伺ったので書かせていただきます。ユルンさんはオランダ、フランス両国に圃場をもっており、球根養成を行っています。同サイズの球根でリン付を調べてみたところフランス産の方が1-2多くついたとの事です。まだはっきりしたデータなどはありませんので、参考程度にしていただければ幸いです。(年産や栽培時期等更に聞いてみます。)

 今、私はオランダの切り花生産者の元で研修しています。次回レポートではその研修内容を含め、報告させていただく予定です。

 今年、日本では“飛躍の「花き元年」”や「価値を上げ、価格を上げて行く年。」等と花産業に期待の言葉が多くみられるそうですね。私としても花産業が賑わう事はとても嬉しいですし、心の栄養と言われる花の需要が増える事を願っております。そのためにも自分に何ができるのか日々考えています。帰国後、私は当社試験農場の担当になります。そこでは、オランダでの経験も生かし、多くの新品種のご紹介やデータ取り、様々な実験等に取り組み、少しでも皆さまのお役にたてるよう一生懸命がんばります。まだまだ未熟者でユリの栽培管理・花産業など知らない事が多くあります。お会いした際には、いろいろと教えて下さい。どうかよろしくお願いいたします。
 最後に、まだまだ寒い季節が続きますが皆さまのご健康とご健勝を心からお祈り申し上げます。

以上