オランダ研修 報告(2) (2014/2/28)

2014年2月27日
大西康仁(2013年度新入社員)

 私は2013年12月2日から2014年2月20日までオランダの輸出会社、球根生産者、切り花生産者の元で各2〜3週間ずつ研修しました。前回、輸出会社と球根生産者の報告をさせていただきましたが、今回は切り花生産者の元での研修内容をご報告致します。


【天候】
 前回の報告でも述べましたが、今年のオランダはとても暖かい気候となりました。2014年1月〜2月20日にかけても10℃前後の気温で日本より暖かかったようです。
 日照時間は2013年12月23日の最短7時間31分(08:54日の出〜16:25日の入)から2014年2月20日10時間7分(07:50日の出〜17:57日の入)と日を追うごとに長くなりましたが、晴れの日が少なく天候には恵まれませんでした。

【OR切り花生産者:2014年1月5日〜2014年1月22日】
 QualilyのOR切り花生産者のJohn van Ruyvenさんの所で主にORの収穫・植え付けを学びました。Johnさんの所では、ユニバース・サンタンダー・ソルボンヌ・ダイナマイト・アラナルの5品種。出荷本数は年間200万本。ハウスは2.1ha、栽培方法はボックス栽培でした。
 時期を問わず2週間のルーティングを行っていますが、ルーティングストッカーは使っておらず、ルーティング用の冷蔵庫も6〜7℃とかなり低い温度でした。ストッカーを使っていないので、芽が伸びすぎて上の箱に芽が届かないようにするために、この温度だそうです。電灯を使っており、定植4週目から2500luxで16時間、6週目からは5000luxで16時間でした。定植はボックスに球根を並べるだけで、球根にピートをかける・ボックスをパレットに重ねるなどの工程は機械化されていました。定植作業は3人だけですが、球根を並べるだけなので1日25,000球以上定植できます。消毒は蒸気消毒ですが、専用の大きい部屋がありそこでパレット積みのボックスごと蒸気消毒されます。収穫した花も選別場所まではベルトコンベアーで運搬されます。
 オランダの農業は機械化されていると聞いていましたが、ここまで進んでいるとは思いませんでした。しかし、このボックス栽培はとてもコストがかかりORなど価格が高い花でないと割に合わないようです。また同じボックス栽培でも消毒・定植を他の生産者に委託している生産者もいると聞きました。
 写真左:撮影用の部屋とその様子。この写真を市場や会社(Qualily)のHPに使います。
 写真右:ボックスを並べる・片づける機械。


【LA・A切り花生産者:2014年1月28日〜2014年2月14日】
 QualilyのLA・A切り花生産者Ruud vander Hoevenさんの所でLA・Aの収穫・植え付けを主に学びました。Ruudさんの所では、リトーウェン、ブリンディジ、マリアンティマー、ナッシュビル、サウスポイント、ヘラクリオン、オネスティ、プーマ、サーモンクラシックの9種類。オレンジは球根の生産量が少ないので、5種類使って周年出荷していました。出荷本数は年間480万本。ハウスは2.4ha、栽培方法は土耕でした。
 Ruudさんの所では定植はスコップを使っての手作業です。私もスコップ片手に定植しましたが、7人で1日約3万球定植する時もあり、手の豆はもちろん長時間の中腰による筋肉痛で毎日ストレッチをしなければ、身体がもちませんでした。一方、花の収穫は球根ごと抜き取り茎をナイフで切るので、時折指を切ってしまう事もありました。しかしこの研修で花栽培の厳しい現実に気付き、栽培に対する自分の考えの甘さを改めることができました。
 オランダはヨーロッパ各地の花を使うイベントや飾る・贈る記念日により、価格の変動が激しいです。研修中でもバレンタイン前日のマリアンティマーは通常の2倍の値がついており驚きました。オランダの生産者は花が高くなる時期に合わせて出荷する事を重視していました。
 写真左:収穫風景。球根ごと抜き取り、ナイフで切っている。
 写真右:定植途中の風景。1日30,000球を植える作業は修行でした。

 私が一番驚いたのは、オランダの切り花生産者の技術や機械化された施設ではなく、それを支える経営力でした。球根代・肥料代はもちろん、人件費・電気代・土地代・ハウスのローン費など細かく計算していました。JohnさんとRuudさんは昨年までは個人の生産者でしたが、今年から合併し1つの会社として運営しています。その最大の理由はOR・OT、LA・Aの多品種を販売できる方が消費者にプロモーションしやすいことです。
 オランダでは花の出荷時期・量を重視していました。これはオランダの低い日照量・湿度・気温のため機械・施設による管理ができ、それにより時期を問わずある一定の品質の花が作られるからでしょう。
 では、日本での花は今何を求めればいいのでしょうか。さまざまな考えがありますが、私にはどれが正しいのか分かりません。やはり生産者である皆さまの考えをお聞きしたいです。そのためにも、皆様とゆりフェスタでお会いしたいと思っております。
 今年のゆりフェスタは花の消費に視点をおき、花業界全体向けのフェスタとなっています。フェスタ中にアレンジメントのデモ等を行い、例年とは一味違うフェスタになっております。私自身、実家が花屋で、小さい頃から周りにさまざまな花がある環境で育ってきました。それゆえ、皆様とは少し違うかもしれませんが、花に対する思いを強く持っています。フェスタは全国から生産者の方々が集まる年に1回のイベントです。そこで皆さまの『ユリ』はもちろん『花』に対する思いも伺いたいです。先ほども申しましたが、今年は花の消費に目を向けたフェスタとなっております。そこで生産者、流通販売の方々双方の意見が飛び交うフェスタになることを期待しています。皆さまのご来場を心よりお待ち申し上げております。

以上