南半球出張報告(2014/7/15)

チリ・ニュージーランド出張報告

株式会社中村農園
中村 光輝


 私は6月30日から7月11日にかけて収穫時期のチリ、ニュージーランドを訪問し、「14年南半球産の作況」について調査して参りましたので、以下にとりまとめてご報告いたします。

1.チリ

【天候】

 今年のチリは“春”が寒く(9月の平均気温は13年よりも▲1.3℃も低い)、初期生育の時期に霜の害を受けた圃場がありました。一方、“夏”は球根生育にとって好天が続き、適度に雨もあり、春の遅れを取り戻すことができました。“秋”は例年よりも早くから寒くなったものの、6月の初冬から長雨で気温の低下が抑えられ、生産者によっては「秋が長かった」と感じる人もいました。
 今年の収穫期は例年になく雨の多い年となっています。特に6月は初旬に雨が多く、月間雨量が昨年の2.5倍となり、生産者によっては1週間も収穫ができず計画よりも2週間以上遅れている会社があります。訪問する前の週にも長雨で収穫ができない生産者がいた中で、私が圃場調査した際には晴天となり、生産者達からは「キミが晴天を運んで来てくれた!」と、いつも以上に歓迎されるほどでした。


【今年の球根】

 今年は春の生育遅れが心配されましたが夏までに取り戻し、生産者達はこれまでのところ目的の収量が収穫できていると言っています。
 一方で、私が今回70ロットを超える試し掘りを行なった結果、芽の太さ(平均値)が昨年比92%と低く、細いものが多く見られました。また、品種によっては収穫の遅延で発芽気味のものもあり、事前に芽の状態を調査することの大切さを改めて実感したとともに、今年は特にロット毎の状態に合わせた商品管理(適切な保管と使用時期の選定)に努めたいと思います。


<芽幅:昨年並み、茎幅:△>
CHPhoto


2.ニュージーランド

【天候】

 近年、年間雨量は平年並みにもかかわらず、雨が降ると集中する「エルニーニョ型」の気候になっていると現地では言われています。今年は1年を通して雨が多く、雨天・晴天を繰り返し気温が上下する年となりました。“春”には集中豪雨による浸水やその後圃場が酸欠状態になるところがありました。“夏”は12月と2月に雨が多く、真夏の1月も昨年と比べて平均気温が▲1.4℃も低くなりました。“秋”は再び雨が多く、3月と4月は例年の2、3倍もの月間雨量に達しています。その後、私が訪問した週から本格的な冬となり寒空の下での圃場調査になったものの、昨年は2mを超える積雪があった山には、未だ山肌が見える程で暖かい“冬”になっています。

【今年の球根】

 昨年は夏が猛暑、冬が大雪と気温の変化が大きかったことと比べると、今年は雨により1年を通して涼しい年だったという生産者が多くいました。今回、65ロットを超える試し掘りをした結果、芽の太さ(平均値)が昨年比93%と低めの値となりました。
 一方で、近年、ニュージーランドの生産者は生産年数や定植時期、母球の由来など様々な新しい栽培方法を試みており、同じ生産地・品種でも球根肥大や芽の太さ・状態に差がありました。
 (今年は年間を通じて雨が多く各生産地による気候の差が少なかったために、生産方法による違いが表れやすい年になったと推測します。)
 そのため、以前のように生産地の立地条件や全般的な気候条件で球根の性質や力を推し量ることは難しく(複雑に)なっており、今後も各圃場で品種・ロット毎に細かく調査・検証することが求められていると思いました。


<芽幅:昨年並み、茎幅:△>
NZPhoto


3.最後に

 弊社では皆様に球根をお届けするだけでなく、今回のような事前の現地調査や情報収集に加え、入荷時の検品や試験栽培、球根専用の冷凍管理など、社員一同、力を合わせて取り組んでいます。(まだ決して十分ではありませんが…。)
 今後も球根の生産から切り花が出荷されるまで、“常に球根と向き合い”、皆様のお役に立てるよう努力して参ります。よろしくお願いいたします。 

以上