11月15日(木曜日)付け：日本経済新聞より抜粋

12、13日に開かれたユーロ圏財務相会合で、通貨ユーロの急激な上昇をけん制する意見が相次いだ。会合議長のユンケル･ルクセンブルグ首相兼財務相は「最近の為替相場の急激な動きは望ましくない」と述べ、対ドルで最高値圏にあるユーロ相場の動向に警戒を示した。財務相会合は「為替相場の動向を緊密に監視する」方針で一致した。

米国経済の減速懸念からユーロ相場は今月上旬に一時１ユーロ＝1.47ドル台に上昇し、過去最高値を更新。ユーロ圏会合でスペインのソルベス財務相は「ユーロ相場の水準はあまりに高く、過度の変動に懸念があるのは確かだ」と語った。産業界では、欧州産業連盟が「欧州企業にとって現在のユーロ高は限界を超えている」とユーロ圏各国に訴えている。会合はさらに中国に人民元改革を求める方針でも一致。ユンケル首相は「中国は世界的な金融･経済政策の調整に責任を持つべきだ」と述べたうえで、今月中旬の訪中時に中国政府と人民元改革を協議する考えを示した。

欧州連合(EU)の今年の対中貿易赤字は過去最高だった昨年を上回るペースで拡大しており、欧州では国際的な不均衡の是正を求める声が強まっている。