株式会社中村農園

レポート・球根情報



情勢報告(2017/9/14)

お客様各位

情 勢 報 告

2017年9月14日
株式会社中村農園
中村 慶吾

 いつもお世話になっております。
 夏の暑さもおさまり、学ぶことの多かった今年の酷暑試験もようやく終盤を迎え、西日本でも朝晩の涼しさに秋を感じ始めました。 以下ご報告いたします。

 

① オランダの気候と生育状況について

 2017年オランダの夏の気候は、東北・北海道に少し似ているかもしれません。7-8月は雨の日が多く、月の半分で降雨を観測し、日照が少なめでした。8月の平均気温が平年値を下回ったのは、近年では2014年以来です。

 9月上旬に圃場周りを行った輸出会社数社からの報告をまとめますと、オランダ全体の球根生育はこれまでのところ平年並み~良ですが、LAとOTが特に良く、生産地方によってもやや異なるようです。
 東オランダは全体に進んでおり、特に2年栽培の圃場は既に地上部のチョップも始まっています。同様にLAの生産エリア(アムステルダム北東部がメイン)も肥大が良く、既に収穫サイズに近づいています。
 一方、南オランダ(リンブルグ地方)はやや遅れているところが見られます。圃場はまだ緑ですので生育は続きますが、9月に入り一段と気温が下がり、雨が続いているため、今後の枯れ方が早まる場合は少し注意が必要です。

 

② 2016年オランダ産について

 ホームぺージに掲載しております、植物検疫統計による8月までのオランダ産輸入球数は、前年同月比97.4%で、240万球減少の状況です。本来ならば出荷量の減少から、切花相場が堅調になると思われましたが、7-8月の高温による出荷スケジュールの乱れなどが足を引っ張った感があります。昨年は9-10月まで残暑が厳しかったですが、今年は9月から気温も下がり、正常な環境に戻ったことは、秋冬の販売にポジティブな影響になると思います。
 弊社では、9月植付けの抑制試験栽培が始まります。長期保管後の品種やロットのパフォーマンスをご覧いただけます。お楽しみに。

 

③ 2017年南半球産について

 下記グラフは、輸入年ごとのオランダ産とSH産の球数と、合計の前年比です。

※1:輸出会社への聞き取りによる、2017年南半球産の日本向け輸出予定
    (=前年輸入実績の97.2%で、約68万球の減少となっています。)
※2:15年オランダ産輸入実績 × 8月までの前年同月比97.4%

 輸入球数合計における、養成球やLA、鉄砲など交配別の詳細はわかりませんが、全体として下げ止まりかけていた昨年から、また一歩後退しそうです。

 

④ 彼岸相場の考察(余談)

 2017年2-3月の切花相場は、前年11月~1月にかけての高値相場のしっぺ返しと言われ、近年で最も安い相場だったと皆さまの記憶に新しいと思います。
 風が吹けば桶屋が儲かるような話ですので、あくまで冗談半分にお聞きいただきたいですが、今年8月が暑く、9月が涼しくなったため、秋の彼岸相場は過去5年平均よりも良い結果となりそうです。(台風が来てますがカレンダーも良い)
 弊社の希望的観測所によりますと、9月の相場と翌年2-3月の相場にはどことなく相関がみられ、2012年から調べてみたところ、下記のような結果だそうで

 今年の夏の気候パターンは2013年と2014年の間のような印象で、したがって2018年2-3月(春の彼岸)は切花相場が良いだろうと予報しています。
(2015年9月が△なのは、中間産地が14年の◎に魅了されたように見えます)

 

 もう一度、皆さまの作付け計画表をご確認下さい。昨年高単価の11月出荷が増えて、安かった2-3月出荷が少なくなっていませんか?
 当たるも八卦当たらぬも八卦。

以上