中村 慶吾
初夏の候、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り誠にありがとうございます。
チリ産球根の収穫が始められてから、約1.5ヶ月が経ちました。これまでの収穫状況と作業等を報告いたします。
1. 収穫状況
今年の冬は天候にも恵まれ、収穫は順調に進み、すでに面積2/3が収穫されました。収穫を行う順番は、球根のしまり、芽の大きさと形、地上部の枯れ方(抜けやすさ)、作業効率等を総合評価して決められます。
収穫後は2台の大型洗浄機(1台で1日に約3000ケース分を処理)で洗浄され、各シャワーラインでは25人くらいが球根をばらし、古茎を抜く作業をしています。機械はすべてオランダから輸入されたものです。
2.選別ラインと品質管理
選別ラインは大小の2列で、約100人がサイズチェックと悪いものの抜き取りを行っています。できあがったケースは品質管理課の2、3人により常時検査が行われ、悪いものや異なるサイズが多い場合は、すぐに指導や再選別となります。(現在私は品質管理課で研修中です。)
弊社の要望に答え、満足していただける球根提供を目指して、サイズは大きめに調整されています。
今年完成した冷蔵庫は12室に分かれており、それぞれの球根に合わせた温度管理が可能です。ほとんどのロットとサイズで製品と同じ状態のサンプルが作られ、1週間に1度、球根(芽)の状態と糖質濃度の検査等が行われます。サンプル中に異変があった場合、製品のケースもチェックします。これまでに、リンペンの弱い数品種で軽いリンペン腐敗を発見しましたが、それを弊社に送らないよう注意するとともに、残りの収穫や来年のために問題点の改善に努めています。
今年は全般に芽が大きく、根もしっかりとしています。夏の豊富な日照量や、植付けと収穫時期の改善、収穫期の恵まれた天候による落ち着いた作業(特に収穫)など、期待できる要素を多く持っているといえます。
3.天候
5月中下旬は最高気温13-15℃、最低気温3-5℃くらいでしたが、
6月上旬からは最高気温8‐12℃、最低気温0-2℃前後とさらに下がり、地温は8℃くらいになっています。6.7月は雨季になりますが、今年は例年に比べてかなり雨量が少ないようです。