株式会社中村農園

レポート・球根情報



2002年オランダ産球根の状況について(2003/2/7)

毎度お世話になっております。
そろそろフランスでの収穫も終わり、(広義の)02オランダ産百合球根の状況が見えてきましたが、 結果は驚くべきものとなってしまいました。

1. スカシ、LA
もともと需給バランスが取れておりましたが、作も普通で、(オランダサイドでは)日本で使える 品種はほぼ完売となりました。(日本国内の)輸入業者の在庫も少なく、市場が必要とする量を 適期に、大切に生産していただきたいと思います。

2. オリエンタル
過剰生産が危惧され、全体的に相場も低迷しましたが、収穫後、状況は一変しました。

①表土凍結の影響
12月中旬の寒波により、掘り取りは中断しました。 圃場によっては、ワラを被覆し凍結を防いだ所もありましたが、凍結が解けた後掘られた球根は 輸出会社で厳しく検査され(リン片の痛みや芽の障害の恐れのため)大半の球根が受け取りを 拒否されました。

②相場低迷の影響
相場低迷の影響を受け、人気のない(古い)品種、売れる見込みのない品種、売れるとしても 価格が安すぎるような品種は、掘り取られず圃場に放置されたり、生産者サイドで廃棄されました。 また、輸出会社も持ち込まれた球根の検査を厳しくし、結果として、過剰球の市場流入を 阻止する効果が働きました。
現時点までで、輸出会社は主要品種をほぼ完売し、球根生産者の手持ち在庫も少なく、 (有っても輸出用の水洗がされてなかったりで) 今後の追加需要には対応できない状況になって来ました。
この点は、(スカシを含め)かなり遅くまで在庫を引っ張り、取り引きができた去年までとは 様変わりしました。
なお、品質面では養成期間中、総じて天候に恵まれ、スカシ・LA・オリエンタル共に 悪くないようです。

ご参考:オニングス社等オ各社で完売(又はほぼ完売)の主要品種:例
カサブランカ、シベリア、シンプロン、アカプルコ、サルトル、ソルボンヌ、ベルガモ、 ベルバドーレ、
マルコポーロ、メデューサ、ルレーブ、ロンバルディア等