株式会社中村農園

レポート・球根情報



オランダ気候最新情報(2003/10/30)

中村 慶吾

平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
10月に入り、オランダ各社の来訪が続いております。9月から収穫までの気候が、 球根品質(特に芽)の決定に重要な影響がありますが、オランダの気候は今年もまた独特な 動きを見せており、オランダ各社に伺った内容と気象データ等を参考に、最新のオランダ気候情報を お伝えいたします。

1.オランダの気候

  8月上旬~15日 :例年の平均気温を4-5度上回る高温で、最高で35度を記録。
  8月後半~9月20日 :平均気温15-16度で、ほぼ平年並み。
  9月下旬~10月10日 :平均気温11-12度で、平年に比べて若干低い温度。
  10月11日~10月22日 :平均気温10度から徐々に気温が下がり、22日には5度へ。
  10月23-24日

 

:一時的な寒波で最低気温は-5度くらいになった。
オランダでは珍しい積雪(2~3㎝程度)も見られた。

その後、現在は最低気温0度、最高気温12度程度、平均5度程度となっている。 これは例年の11月後半の水準で、2ヶ月分の冷え込みが、20日間で来たことになる。
オランダ人達の話では、寒さにより木々の葉が完全に落ち、ユリの地上部も全体が茶色く、 葉も落ち始めているそうだ。

2.気候と球根品質
春から8月上旬までは例年より暖かい気候が続き(例年のフランス並)、ユリはエネルギーを 十分に蓄えることができた。
8月下旬から9月上旬までは、例年通り緩やかに気温も下がり、球根の肥大はかなり進んだ。 実際に10月上旬までに来訪したオランダ人は口を揃えて、今年は肥大がいいと言っていた。 現在収穫が行われているアジアティックやLAは肥大が良い。
10月に入り気温は急速に下がる。球根が肥大を続けられる気温を下回り、逆に締まり始める。 今後気温が上昇したとしても、肥大が進む可能性は薄く、バンザンテン社のハンス氏は、 今年のオリエンタル球根は例年並ないしは、シベリアやソルボンヌの大球は意外に少ないのでは? という。

11月にはオランダにて現地調査(球根品質、芽形成、新品種等)を行ってまいります。
今後も最新の話題が入り次第、皆様に情報を提供してまいります!