中村農園レポート:2004年7月22日
中村 慶吾
平素は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
6月より、南半球(チリ・ニュージーランド)において収穫が行われており、 現在少しずつ、収穫高の報告が入ってきております。
以下に、各国の気候と全般の状況についてお知らせいたします。
●ニュージーランドの気候と球根肥大状況
生育初期からの高温と乾燥で、生育不十分。中盤以降の低温や早霜により、 秋からの球根肥大も少なかったため、全般に球根の太りが悪い状態です。 LF球(2年栽培)は、秋までに十分に肥大しており良好。
・デヨン社(NZ):南島 ゴア地区
シンプロンの全量欠品を始め、ルレーブなど全般に肥大が悪く、今後収穫される品種も心配があります。 ニュージーランドで一番南に位置し、最も涼しい産地だけに、今年は厳しい結果となりそうです。
弊社ホームページに、デヨン社のマルセル社長から届いた、より詳しい報告の和訳文を掲載しております。
・バンザンテン社(NZ):南島 ラカイア地区
ルレーブNZの大きいサイズで大幅欠品の他、ソルボンヌNZは16-18と18-20ともに不足気味で、別のサイズへ変更をお願いすることがあると思われます。ニュージーランドの不足をチリ産で補えるものもあり、ティアラNZは概ね不足分をチリ産に変更することで球数を確保しましたが、18-20から16-18へのサイズ変更も弊社の判断で受け入れました。LF(2年栽培)球は予定通りの入荷となります。
* バンザンテン社はチリにも生産があり、生育は概ね順調です。
・バッカー社(NZ):南島 ラカイア地区
今のところ欠品連絡等は来ておりませんが、他のニュージーランド生産者の状態を見ていると、 今後いくらかの欠品連絡があると予想されます。
・キウイバルブ社(NZ):北島 ホークスベイ地区
正確な収穫状況等の連絡が入っておりませんが、概ね順調に生育し、予定通りの入荷となりそうです。
●チリの気候と球根肥大状況
初期から中期にかけて適当な気候で、好調な生育。3月頃には肥大が進んでいることが確認されていましたが、 4月以降が平年より寒かったようで、球根肥大は例年並といったところで落ち着きそうです。
・ソネ社(CH)
シンプロンの大球でいくらかの不足、フレッター社委託生産分の多くの新品種(主に黄色)で、 入荷なしなどが出ております。(もともと種球が小さすぎ、フレッタ-社の販売は余りに楽観的過ぎた? との意見も…。) マルコポーロ、コンカドールでも多少の欠品がありますが、シベリア等の肥大は良好で 全体としてはまずまずの入荷となりそうです。今後、後半に収穫される品種の結果が待たれます。
・サザンバルブ社(CH)
植付け密度の改善等により、収穫結果は良いようで、特に欠品の連絡は入っておりません。
欠品の出た品種も、他産地を使ってできる限りの球数を確保し、更に不足の場合も考え、 代替サイズや品種も準備しているところです。収穫もまだ終わっておりませんので、今後も状況に応じて、 できる限りの対応をしてまいりますが、最終的にお客様にご不便をお願いすることも予想されます。
今月内のなるべく早く実体をつかみ、(欠品・変更等があれば)ご連絡させていただきますので、 皆様方のご理解とご協力をお願いいたします。