中村農園レポート:2005年2月10日
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
2005年1月までで、当社の2004年SH球の納品が概ね終了いたしました。当社の取扱球数600万球余りの内、11月末までに約400万球、12.1月で約200万球を納品させていただきました。これまで、致命的な品質問題等はなく、概ね順調な成育をしてくれているようです。皆様方のご協力に心から御礼申し上げます。昨今、来日しているオランダの輸出業者達も、SH球による冬場の高品質切花生産に目を見はっている所です。
今回は、04年SH球の当社の納品実績についてグラフでご紹介し、気が付いた点を以下にご報告致します。
グラフ①-2004年南半球(チリ/ニュージーランド)色別比率 |
グラフ②-月別色別納品実績 |
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(1)色バランス |
各月の納品球数を色別で表したものです。期間を通じて極端な色別の偏りは認められず、白・ピンク・黄・(赤) 色バランスの取れた出荷が期待されます。
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(2)白系 |
白の割合が(欠品等の為)全体の36%と、市場の期待数量を大きく割り込みました。冬の白は貴重品となってしまいました。
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(3)遅い(1月)納品 |
昨年に比べ、1月の納品が増えましたが、まだ今季はそれほどの量ではありません。しかし、オランダ産新球(ターボ球)では厳しかった、4月~母の日ねらいの作型は、今後も増加していくものと思われます。ただ、ご注意いただきたいのは、SH球は冷蔵期間が長くなると力の落ち方がオランダ産より激しいと言われています。この作型には1サイズ大きいもののご利用をお勧めします。
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グラフ③-月別品種別納品実績 |
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(1)四大品種と その他補完品種 |
シベリア、ソルボンヌ、カサブランカ、イエローウィンの四大品種が全体に占める割合は全体の約半分で、残りはわずかずつの30以上の品種で構成されています。グラフでは主要各品種の月毎の納品実績を見ていただけます。冬期以外の作型では、四大品種の割合は60~70%と推定され、市場側は冬場でもそれらの安定出荷を望んでいます。残念ながら 今のところ南半球での球根生産はそれに追いついておらず、第二次的な選択でその他の品種をご利用いただいているのが現状です。 しかし、1月19日付のチリ出張報告にも述べました通り、SH産地側もマーケットにふさわしい品種構成に近づけるよう努力しており、将来を期待したいと思います。 |
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(2)分散納品 |
グラフには表現できませんでしたが、様々な品種が、納品期間全体にわたり、(主に)西日本全域に分散納品となっており、球根の供給から見ると、特定品種の集中切花出荷は考えられません。目立った出荷のピークを作らず、無理のない管理で切花品質を優先した作型とも言えるのではないでしょうか。分散納品が可能な事自体、SH球の第二のメリットではないでしょうか。
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グラフ①-2004年南半球(チリ/ニュージーランド)色別比率
グラフ②-月別色別納品実績
グラフ③-月別品種別納品実績