株式会社中村農園

レポート・球根情報



南半球産の収穫状況について(中間報告) (2010/7/31)

中村 慶吾

いつも大変お世話になっております。

6月よりチリ・ニュージーランド産の堀取りが始まり、まもなく2カ月が経とうとしています。徐々に結果が出てきておりますので、状況をご報告致します。

1. バンザンテンNZ社の壊滅的結果!!!

下記の品種で、大幅ショート(サイズによっては半分~80%近いショート)などがでています。
シーラ、ティアラ、ジャスティナ、マウレナ、シンプロン、トリニティなど。
(具体的な理由については書くことができませんが)植付け前に、種球の取り扱いで大きな人為的ミスがあり、多くの品種(特にカサブランカ)で深刻なダメージが見られました。
12月段階(取引以前)に、バンザンテン社内で生産見込みの調整を行い、トータルで350万球以上の下方修正を行いましたが、実際に収穫された球数・サイズはその予想を更に大きく下回るものでした。(過去前例のない状況だそうです)

これは、肥大不足の問題よりも、球根が消えたことによる影響が大きいようです。 単位面積当たりの植付け球数に対し、半分程度しか出てこなかった品種も多く、逆に言えば薄く植付けたような状態であったため、生存(生育)した球根の肥大は悪くありませんでした。
当社が6月に現地調査を行った際の肥大結果が“平年並み”であったのも、そうした影響です。(当然、畝にはたくさんのスペースが見られましたが…)

□その他、NZの生産会社 の結果は以下の通りです。
バッカー社、アイランドバルブ社の結果は悪くありません。
サザンフローラ社については、気候による肥大不足で全体的に大幅な欠品を起こしています。

収穫結果予測と在庫対応はなかなか難しいものがあります。生産者自身や、輸出会社ですら予測できない(ほどのショートを起こす)のですから尚更です。
当社の予測と準備は(詳しくは書けませんが)気候のみならず、取り巻く環境や時代の流れ、無数のミクロの情報をつなぎ合わせ、出てきたラインの接点を見つけるような、試行錯誤の連続作業です。
チリ地震のため2月の南半球(CH・NZ)出張を断念し、生育中期に現地調査ができず、一部情報の抜けの影響がありましたが、これまでの結果は概ね予測していた状況です。

・リアルト、ジャスティナなどは、大きなショートが発生するも、お客様への影響はほぼありません。
・シーラ、マウレナなどは、実際の収穫結果よりも、ショート率は減少させましたが、 カバーしきれませんでした(欠品率があまりにも酷過ぎた)。
・ティアラ、アケミは、元々需要に対して生産が十分でなく、ショートも大きかったものです。 全体の状況と同じような欠品報告となりました。
○今後、アクティバ、ウィルケアルベルティ、ソルボンヌ、ビビアナ、マルコポーロ、ロンバルディア、ロディナ、ベラドンナ、カサブランカ、コンスタンタ、シベリアなどの収穫(選別)結果が続きます。心配です。
▼NZ産のフレッター系品種につきましては、諸事情により販売数量を大幅削減 又は ゼロ に調整されるようです(CH産での補完を調整中)。
○品種ごとに、取り扱い全社から報告を受け、調整不可能なものにつき、速やかに欠品のご連絡をさせていただいております。ご迷惑をおかけ致します。 代替品種への変更等につきましては、担当営業へご相談いただきますよう、よろしくお願い致します。

2.チリ産の状況はまずまず

既に一部品種の結果が出ていますが、全体としては遅れ気味です。ソルボンヌ、シベリア 及び、ノバゼンブラ、モンテズマ、マーロン、ロンバルディアなどの結果は遅れそうです。
POINT!
対日販売球数では、NZ産がCH産の2倍以上のシェアになります。
バンザンテン社の生産面積は、NZ全体の半分以上(販売球数だと65%を超える?)ですから、NZ産全体の日本への輸出は大幅に減少することになりそうです。
低日照・低温地域では、冬の地温が低くリン付き・ボリュームが減少するためNZ産しか使えない切花産地もありますから、影響が心配されます。

CH産も低温のシーズンでしたから、追加は期待できない状況です。

▼これまでの欠品で、既に昨年の対日輸出量(約2476万球)を下回る水準になった可能性があります。
状況が落ち着きましたら、輸出会社へのアンケートを再度 行いたいと思います。
▼パンドラ(S&B)、カサブランカ(SH)は日本向けロットを申請していなかったため、輸入出来ないことが分かりました。
▼(前回)第1回 輸出会社への、日本向け受注球数アンケート結果

スカシ/LA オリエンタル/OT 合計 シェア
NZ 2,500,000 15,648,450 18,148,450 67.78%
CH 474,300 8,154,115 8,628,415 32.22%
2,974,300 23,802,565 26,776,865 100%

3. 入荷予定

・LA品種は、8月内に入荷し、9月早々から植付け可能です。※
・オリエンタル/OTは、既に結果の出ている品種は9月より入荷で、9月20日以降から植付け可能です。※
※ ただし、冷蔵完了直後の高い地温での植付けとなりますので、十分ご注意ください。
・選別の遅れている品種は、今後日程が決まります。
◎納期をお知らせいただいてないお客様には、ご連絡をお願い致します。 また、特に早期に納品をご希望の方はその旨お伝え下さいませ。
“得意先別予定出荷残一覧表”へご記入の上、FAX頂くと便利です。

以上、簡単ですが中間報告でした。