株式会社中村農園

レポート・球根情報



06年南半球産球根収穫状況‐中間報告‐(2006/7/31)

中村慶吾

平素は格別のお引き立てをいただき、誠にありがとうございます。

南半球(チリ・ニュージーランド)では6月より収穫が始まり、現在 収穫作業は最終段階に入っています。
収穫された球根は、畑での洗浄を終え、随時サイズ選別にかけられ、それぞれの品種・サイズの最終的な数量が確定していきます。
7月末現在で、全体の約半分の選別結果が入ってきており、8月の前半までには概ねの状況をつかむことができると思います。

以下に、これまで報告のあった生産地側の状況を報告いたします。

カサブランカ NZ デヨン社を中心に20-22、22-24でかなりの肥大不足。 現地調査の段階で肥大不足を予想しており、概ね対応できましたが、未報告の生産者からの結果を待つ。
キエフ CH 欠品なし。
コルドバ CH サンハーベスト社生産。大欠品発生で納品可能球数はテスト的数量となる。
サッポロ CH 肥大不足でしたが、調整の結果、納品球数確保できました。
ナイロビ CH コルドバ同様、肥大不足で大幅欠品あり。
シンプロン CHNZ CH産はサイズにより欠品率50%を越す大幅ショート。 (NZ産にて代替確保しました。)
リアルト CH チリ産は特に16-18サイズが予想よりも少ないようですが、輸出会社側でNZ産の結果を待ってからの調整となる予定です。
シーラ NZ 昨年のリン片畑の生育不良から、予想通りの大幅欠品。 バンザンテン社のみの生産品種で代替確保が不可能。
ジェンチル CH 肥大不足でご注文の20-22、22-24の大サイズがほとんどない。
ジャスティーナ NZ シーラ同様、昨年のリン片の問題で大幅欠品。
ソルボンヌ NZ バンザンテン社は計算ミス?で10%程度の欠品。その他生産者は概ね予想通りの様子。
ソルボンヌ CH チリのソネ社生産分の結果報告が、南半球全体の中で最も遅くなりそう。南半球最大の生産量だけに、その結果は良くも悪くも影響が大きい。
ロンバルディア CH 1つのロットで品質不良が判明し 納品不可能となったため、大幅欠品。
イエローウィン CH サザンバルブ社生産分の1ロットで品質不良が見つかり納品不 可能のため欠品あり。その他の産地で数量確保できました。
コンカドール CH 18-20以上で10%以上の欠品。当社は球数確保できました。
フレッター系新品種 もともと生産量の少ないものが、さらに欠品となり、多くの品種で納品可能球数がわずか。試験栽培用球根という感覚。
LA品種 CH 概ね肥大良好。

当社の対応
南半球での球根生産は、オランダに比べて年次のブレが大きく、お客様のご注文どおりのサイズと球数を確保することは容易ではありません。
当社は、南半球出張報告(7/14日付)にて ご報告いたしました通り、複数回に及ぶ現地調査の中で、生産地・品種・サイズごとの生育と肥大状況を把握し、その調査結果を元に、可能な限り欠品に対する準備を行ってきました。
1つの会社でしか生産がない品種も多く、肥大不足等による欠品の影響を他の会社で補うことができない場面もありますが、冬場の安定した切花生産(=皆様のご計画)を崩さないためにも、生産地の収穫結果をそのままご連絡するのではなく、ご理解いただける範囲での代替品を用意し、ご迷惑をおかけしないよう準備を進めております。大きすぎ、小さすぎ、日本では市場性の乏しい品種、生育に不安がある根無し球根や、品質的に格落ちの球根 等は取り扱っておりません。
ソルボンヌ、シベリア、カサブランカ等 生産量の大きな品種の結果は、選別にかかる時間も長く、今後情報が入ってくる予定です。
品種ごとに結果がまとまりましたら、なるべく早いタイミングで皆様に報告する予定です。ご希望どおりにならないこともあるかもしれませんが、現実的な対応をお願いいたします。

収穫開始前には、日本の輸入球数は2500万球になると言われていましたが、チリ・ニュージーランドの収穫状況を見てみますと、昨年(05年産)の2000万球から大した増加にならなくなってしまいそうです。
必要な球根につきましては、早急に確保されることをお勧めいたします。