2007年10月12日(金曜日) 日本経済新聞
外国為替市場でユーロやオーストラリアドルなどに対して、円が売られている。日銀が11日の金融政策決定会合で政策金利を据え置いたことを受け、市場で早期利上げ観側がやや後退したためだ。低金利の円を売ってユーロなどを買う動きが強まるとの見方も出ている。
11日の東京市場で、日銀が八対一の賛成多数で政策の現状維持を決定した直後、円はユーロに対して一時、1ユーロ=165円台後半から166円台前半に下落した。現状維持は大方の予想通りだったが、市場の一部では複数の委員が利上げを主張するとの憶測も出ていたという。
政策決定会合後の福井俊彦日銀総裁の記者会見も「利上げ観測を強める内容ではなかった」(バンク・オブ・アメリカの藤井知子日本チーフエコノミスト)との受け止め方が多かった。