中村 慶吾
生産者の多くは現在も植付けをしないまま、どの品種を植えればいいのか迷っています。(例年3月末から植え付けが行われます。)
輸出会社にも毎日たくさんの電話が入り、「どの品種を植えたらよいか?」、「何を買う予定か?」、「契約は出来ないか?」と質問を受けていますが、返答ができない状況です。
すでに12~15名の生産者が本年より生産を停止するとの話が出ています。
ただし、それらの品種や種球は、他の生産者に引き継がれる可能性もあります。
生産者は、南半球の生産が増えてきており、(こちらが優先的に販売され)オランダ産への需要は減少するため、面積は15%程度減る必要があることは理解していますが、 実際に自分自身が減らすことはためらうものです。
生産者心理としては、植えられる状況であればすべての種球を植えたいと思うのが常でしょうから、実際には-10%程度にしかならないのでは?
現在、球根の取引はほとんどされていません。マーケットではSHもオファーされていますが、いずれも動きは見られない状況です。世界的に08年SH、08年オランダ産の買い控えが続いています。
輸出業者は、希少品種等の仕入はしていますが、一般品種はほとんど買っていません。 過去に経験したことがないほど取引が遅れていますが、生産者は輸出会社との取引契約が結べなければ、銀行から生産のために必要な資金の融資を受けられない場合が多く、面積減少への影響はあるだろうとのこと。
(生産と需要のバランスが取れ)価格が暴落せずに球根生産者が妥当な利益を出せなければ、種球の更新や、新品種への投資は鈍り、球根全般の品質向上が期待できないため、適正レベルへの面積減少が必要です。
現在耳にする価格水準は十分に低く、それ以下に更に大きく下がることは考えられません。しかし、上記のような背景もあり、慎重にゆっくりと買いを進めようと思います。