株式会社　中村農園

(日本経済新聞、2008年9月6日付より抜粋) 

外国為替市場で円が全面高の展開になっている。5日の東京市場では、対ドルで1か月半ぶりに一時1ドル＝105円台に突入、対ユーロで1年1か月ぶりに一時、1ユーロ＝150円台に上昇するなど、軒並み高値をつけた。欧州などの景気減速を背景に、これらの国や地域の通貨に売り圧力が強まり、円が買い戻がマイナス成長、豪州でも住宅市場の調整などで成長率が鈍化し、豪州中央銀行は6年9か月ぶりの利下げに踏み切った。高金利や成長期待を背景に買われていたユーロや豪ドルが売られ、相対的に上昇する構図になった。
しかし、日本の景気も事実上の景気後退局面に入り、日銀の低金利政策は長期化する見込み。政局も不透明な中で、円を積極的に買う理由は乏しい。過去数年にみられた円の急騰局面も長続きしなかったため、今回も一方的に円が上昇し続けるかは不透明だ。
実際、週明けの今日は、5円近くも円安に戻ってしまう荒っぽい動きで、全く気が安まるひまがありません。(中村農園)