2009年1月5日付 花卉園芸新聞
新年明けましておめでとうございます。2009年の新春を皆様健やかに迎えられたこととお慶び申し上げます。
昨年は花き産業全体の低迷が続く中、秋以降の世界的な金融危機や景気の急減速も加わり、過去に経験のない厳しい状況となっています。
私ども日本花き球根輸出入協会(JFTA)会員各社が取り扱っております球根切花も例外でなく、高級切花の代表である百合類の市場卸売価額は対前年で10%以上減少し、250億円を下回ったかもしれません。この水準は1990年代初頭、オランダ産球根隔離免除化直後のレベルであり、問題の深刻さを痛感しております。
当協会では「Ms(ミズ)リリー」(昨年は第7回、女優の広末良子さんが受賞、テーマリリーはカサブランカ)に協賛し、多くのメディアに取り上げられました。又、IFEXにも参加し「日本の百合コーナー」で国内産の世界最高品質のユリ切花をアピールする等、出来る限りのプロモーション活動に取り組んでまいりましたが、残念ながら充分な成果には至らなかったと言わざるを得ません。
ついては、IFEX開催にあわせJFTA独自のセミナーを開き、各界の皆様方からご意見を承り、課題点を洗い出し、私達の営業自体やJFTA活動、プロモーションの在り方についても原点から見直すことに致しました。
百合については改めてその高級感と豪華さ、花持ちの良さ等を理解していただき、メインの花としての位置付けを確立できるよう努めます。私達のメッセージが販売店や消費者の方々に届くよう、効果的なプロモーションを再構築いたします。
チューリップについては昨年からオランダ国際球根協会(IBC)が主体となって行なっている販売試験を今年も継続し、実証データに基づいて切り前、ロジスティックス、品揃え、ディスプレイの方法等を改善する提案を行なって参ります。
一方、生産者の皆様、市場関係者の方々との更なる連携を強化すると共に、他の組織や団体とも積極的に交流し、協力し合って、情報提供と消費拡大を目指します。
危機感をテコに再出発。球根切花の価値と魅力を伝え、新しいマーケットを創造し、この難局を乗り切ってまいる所存です。
皆様方のご理解とご協力を切にお願い申し上げ、念頭のご挨拶とさせていただきます。
日本花き球根輸出入協会(JFTA) 会長 中村 裕司