いつもお世話になっております。
8月8日の立秋(夏至と秋分の中間点)が過ぎ、暦の上では秋と申しましても、例年8月内は厳しい暑さが続くものですが、今年は台風10号が西日本を縦断して以降、朝夕が少し涼しく感じられるようになりました。
下記グラフは、気象庁の観測データによる、主要な百合切花生産県の県庁所在地(市)の旬別平均気温です。点線が過去5年の平均値、実線が2019年です。
今年の気温は、7月中旬まで低めに推移しましたが、7月下旬から8月中旬の1ケ月は、真夏日や猛暑日が続きました。高知市の8月上中旬がやや低いのは、台風の影響があったと思われます。
近年、地球温暖化が進み、ヨーロッパの比較的北側にあるオランダでも、7月後半に猛暑日になり、フランスのボルドーでは観測史上最高の41.2℃になりました。日本でも夏に限っては(北海道を除き)全国的に亜熱帯のような気候になってきており、局地的、突発的な集中豪雨も心配されています。
気象が極端になり、生産者の皆様におかれましてはご苦労が多いと思いますが、土壌消毒とルーティング(“発根している事”の確認)を適切に行い、上根の差込み、発根遅れによる花飛びや葉焼け、枯れ上がり、生育後半の先細り、草丈不足等にならないよう、高温による生育阻害への対処をお願い致します。
― 弊社試験ハウスが見ごろを迎えております ―
夏植え作型は、生育期間が短く、年間の生産コスト/本を抑えるメリットや、ハウス回転数を上げ、面積当りの出荷本数や売上を伸ばす効果が期待されます。
酷暑試験では、暑さに強い品種を探す目的として夜冷は行わず、オリエンタル・OTのハウス内 生育期間は45~60日程度になります。
百合の育種は進化しており、既存のシベリアやマレロが苦戦する中、ザンベジ、イエローウィン以外にも、暑さに強い品種を選択することが可能になりました。晩生品種など発芽の遅いロットが必ずしも良いとは言えません。
一般論として、オリエンタル・スカシは高温の影響を受けやすく、OT・LAは鈍感な傾向にありますが、品種により結果は様々です。
遮光率の高い栽培管理では、茎の硬さは要チェックです。ご来場の際には、栽培ベッド中列の茎を触っていただいて、ご確認いただけたらと思います。
もうしばらく残暑が続きますが、お体ご自愛ください。
以上